半血兄弟


父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹のこと。 半血兄弟姉妹ということもあります。

相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹(全血兄弟)の相続分の2分の1です。

参考条文 民法900条4項


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# by k-087 | 2010-05-19 00:50 | 半血兄弟

特別受益


共同相続人の中に、被相続人から生前に贈与を受けていたり、あるいは遺贈を受けたりした者がいる場合、その贈与や遺贈を考慮することなく具体的な相続分を算定すると、不公平な結果となってしまいます。

そこで民法は、共同相続人の中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、算定した相続分の中からその遺贈または贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分としています。

この被相続人から受けた贈与や遺贈を特別受益といいます。

たとえば、相続人が子3人(子a、子b、子c)、相続開始時における被相続人の財産総額が2500万円で、子aが被相続人からマイホーム資金として500万円の援助(特別受益)を受けていた場合を例にすると…

被相続人の財産総額2500万円に特別受益である500万円を加えた3000万円を相続財産とみなします

それを3人で均等に割って1人1000万円

しかし子aはすでに特別受益として500万円の贈与を受けているからそれを引いて500万円

結果としてそれぞれの具体的な相続分は、
子a : 子b : 子 c = 500万円分 : 1000万円分 : 1000万円分

…となるのです。

なお、ある相続人が被相続人から生前に贈与を受けたからといって、それがすべて特別受益になるわけではありません。特別受益といえるためには、「婚姻・養子縁組のための贈与」「生計の資本とするための贈与」に該当しなければなりません。

たとえば、娘が結婚するに当たり嫁入り道具を調えた場合や持参金・支度金を渡した場合は「婚姻・養子縁組のための贈与」、独立開業するための資金・マイホーム資金を出した場合は「生計の資本とするための贈与」に該当し、特別受益といえます。

これに対し、親と同居して生活費を出してもらっていた場合などは、それが格別に高額であった場合を除き、通常は特別受益には該当しません。

参考条文 民法903条、904条


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# by k-087 | 2010-05-19 00:49 | 特別受益

寄与分


共同相続人の中に、相続財産の維持、増加に多大な寄与をした者がいる場合、その寄与について考慮することなく具体的な相続分を算定すると、不公平な結果となってしまいます。

そこで民法は、共同相続人の中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産場の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分としています。

たとえば、相続人が子3人(子a、子b、子c)、相続開始時における被相続人の財産総額が3500万円で、子aが実家の事業を手伝っていたとして500万円分の寄与分が認められる場合を例にすると…

被相続人の財産総額3500万円から寄与分である 500万円を引いた3000万円を相続財産とみなします

それを3人で均等に割って1人1000万円

これに子aには寄与分 500万円があるのでこれを加えて1500万円

結果としてそれぞれの具体的な相続分は、
子a : 子b : 子c = 1500万円分 : 1000万円分 : 1000万円分

…となるのです。

なお、寄与分といえるためには、被相続人の財産の維持・増加についての『特別の』寄与でなければなりません。

たとえば、実家の農業や商売を手伝っていたとしても、他人を雇ったときと同様の報酬を得ていたときは寄与分とはいえません。報酬が非常に安かったり、報酬を貰っていなかったときに初めて寄与分といえます。

また、被相続人の療養看護についても一定以上のものである必要があるでしょう。

そして、寄与分といえるか、また寄与分としてどれだけの金額に換算するかは相続人の協議で決定することになります。この協議が整わないときは、寄与した者の請求によって家庭裁判所が定めることになります。

最後に注意点を1つ。寄与分が認められるのは相続人に限られます。

たとえば、長男の嫁が義父の療養看護に尽くしたとしても、嫁本人には寄与分は認められません。なぜなら、長男の嫁は義父の相続人ではないからです。

ただ、その療養看護を金銭換算して、そのうちのいくらかを長男(長男は相続人である)の寄与分と考えることは可能でしょう。

もし被相続人である義父が長男の嫁本人に何らかの財産を確実に残したいのならば、その旨の遺言を書いておく必要があるということになります。

参考条文 民法904条の2


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# by k-087 | 2010-05-19 00:48 | 寄与分

遺留分

一定の相続人のために、法律上必ず留保されなければならない遺産の一定割合のこと。

本来、私たちは自分の財産を自由に処分することができるのが原則です。これは生前だけでなく死後も同じで、遺言で自分の財産を自由に処分することができるのが原則です。(遺言自由の原則)

しかし他方で、相続人には相続に対する期待利益があり、財産を公平に分配して相続人の生活の安定を確保する必要性もあります。

そこでこれらの調整を図るため、一定の相続人に相続財産の一定割合を最低限の取り分として認めたのが遺留分の制度です。

この遺留分が認められるのは全ての相続人ではなく一定の相続人です。具体的には、被相続人の子・直系尊属・配偶者です。つまり、たとえ相続人であっても兄弟姉妹に遺留分は認められていないのです。

遺留分の算定は、まず基準となる財産のうちの一定割合を総体的遺留分(遺留分権者全員のために留保される割合)とし、次にその総体的遺留分に各遺留分権者の法定相続分を掛けることにより個別的遺留分を算出するという方法により行われます。

この「基準となる財産」とは、被相続人が相続開始の時において有している財産のこと、とざっくり考えておけばいいでしょう。もっと正確に知りたい…という方は下記※参照。

※遺留分算定の基準となる財産とは、被相続人が相続開始の時において有した財産(遺贈や死因贈与された財産も含む)の価額に、生前に贈与した財産の価額を加えた額から債務の全額を控除して算定される。この加算される生前の贈与とは、相続開始前の1年間に贈与したものの全て、および当事者双方が遺留分を害することを知ってなされた1年前の日より前に贈与したものを指す。さらに、特別受益に当たる贈与がある場合にはそれも加算する。このようにしたのは、生前贈与によって相続財産を少なくすることにより遺留分制度を骨抜きにすることを防止するためである。

そして、この総体的遺留分(遺留分権者全員のために留保される割合)は、誰が相続人であるかによって異なります。

* 直系尊属のみが相続人である場合は、3分の1
* その他の場合(直系尊属+配偶者の場合も含む)は、2分の1


です。

これに、各相続人の法定相続分を掛けたものが個別的遺留分となります。

たとえば、相続人が配偶者と子2人である場合、

* 1/2(総体的遺留分)×1/2(配偶者の法定相続分)=1/4(配偶者の個別的遺留分)
* 1/2(総体的遺留分)×1/2×1/2(子1人の法定相続分)=1/8(子1人あたりの個別的遺留分)


となります。

つまり、この場合でいうと、配偶者には基準となる財産のうちの4分の1、子1人には基準となる財産のうちの8分の1が、遺留分として保障されているのです。

なお、遺言(あるいは生前の贈与)によって、遺留分が害される結果となった場合であっても、その遺言(あるいは生前の贈与)が当然に無効となるわけではありません。

遺留分を害された遺留分権者が、遺留分減殺請求をすることにより、その害された限度で減殺(取り戻し)できるにすぎません。

つまり、遺留分権者は遺留分減殺請求をしてもいいし、しなくてもいいのです。ただ、遺留分減殺請求をする場合、遺留分減殺請求は、「相続の開始および減殺すべき贈与等があったことを知ったときから1年間」または「相続開始の時から10年間」を経過すると時効によって消滅してしまうので注意が必要です。

最後に、遺留分減殺請求は放棄することもできる(相続開始前は家庭裁判所の許可が必要)のですが、たとえある相続人が遺留分減殺請求を放棄したからといって、そのぶん他の相続人の遺留分が増える…ということはありません。

遺留分減殺請求が放棄されると、結果的に被相続人が自由に処分できる財産が増えるだけです。

参考条文 民法1028条以下


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# by k-087 | 2010-05-19 00:47 | 遺留分

認知


非嫡出子(法律上の婚姻関係にない男女の間に生まれた子)について、その父との間に、意思表示又は裁判により法律上の父子関係を発生させる制度。

法律上の父子関係が発生して初めて、父を被相続人とする相続における相続人(子)となります。

なお、認知は遺言によってもすることができます。


参考条文 民法779条以下


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# by k-087 | 2010-05-19 00:46 | 認知

養子


養子縁組の手続によって、養親との間で法定の嫡出子としての身分を取得した者のこと。(自然血族である実子に対する)

相続との関係で注意する点は、養子は嫡出子たる身分を有するということです。つまり、非嫡出子の場合のように、相続分が半分になることはありません。

参考条文 民法809条


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# by k-087 | 2010-05-19 00:45 | 養子

遺産分割


相続の開始(被相続人の死亡)によって、遺産は一応は相続人の共有となっています。しかしこれは過渡的形態に過ぎません。様々な財産によって構成されている遺産について、最終的に「何を」「誰に」分配するかを決すること、すなわち「遺産わけ」のことを遺産分割といいます。

たとえば、この家は長男に、この車は次男に、この預金は長女に…という具合です。

遺産分割は、被相続人が遺言で行う場合(遺産分割方法の指定)と相続人全員の協議で行う場合(遺産分割協議)があります。

遺言で遺産分割方法の指定がなされていない場合には、遺産分割協議を行うことになりますが、この場合における遺産分割の基準として民法は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の職業その他一切の事情を考慮して分割するよう定めています。

これは、単に算術的に平等に分けるのではなく、実質的に公平に分けるべし…という趣旨なのですが、何が実質的に平等なのかの判断については、相続人等に丸投げしている…といっても過言ではないでしょう。(そもそも法で画一的に決めるのは無理ですから…)

結局のところ、遺産分割において重要なのは、「相続人全員一致で決定する」ということです。

全員一致であればどのように遺産わけしようと自由です。過渡的形態である共有段階における法定相続分どおりに遺産わけしなくてもかまいません。そもそも法定相続分どおりにキチッと分けることなど不可能なのです。法は不可能を要求しません。

ただ、多くの場合、法定相続分が遺産分割協議における1つの重要な基準(スタートライン)にはなるでしょう。

なお、具体的な遺産分割の仕方としては、現物分割・換価分割・代償分割・共有分割があります。

◆現物分割
遺産分割の仕方の1つ。遺産をその物のかたちのまま分割する方法のこと。
たとえば、1つの土地を3つに分けて(分筆して)、それぞれを3人の相続人で分けるというやり方。

◆換価分割
遺産分割の仕方の1つ。遺産を他に売却して金銭に代えて、その金銭を分割する方法のこと。

◆代償分割
遺産分割の仕方の1つ。遺産を相続人中の誰かが取得し、その代わり他の相続人に対し金銭等を支払うという方法のこと。

◆共有分割
遺産分割の仕方の1つ。遺産を全相続人または相続人中の何人かで共有にする方法のこと。

参考条文 民法906条以下


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# by k-087 | 2010-05-19 00:44 | 遺産分割

相続放棄


相続が開始した後に、相続人が相続の効果を拒否する意思表示のこと。

法律上相続人と定められているものは、必ず相続をしなくてはならないわけではなく、その相続の効果を拒否(相続を放棄)してしまうことも可能です。

これにより、相続財産が債務超過である場合に相続人が意に反して過大な債務を負わされることを回避することができます。

また、共同相続人のうち、事業(たとえば農業)を承継する者以外の相続人が相続放棄をするというように、事業資産(たとえば田畑)を後継者に集中するさせるために利用することもあります。

この相続の放棄は、自分のための相続の開始を知ったときから3ヶ月以内に、家庭裁判所にその旨の申述をすることによってしなければなりません。

相続開始前に相続放棄をすることはできませんし、相続開始後3ヶ月経過後も相続放棄をすることはできません。

そして、この相続放棄がなされると、はじめから相続人とはならなかったものとみなされます。

従って、被相続人の配偶者と子2人が相続人である場合、法定相続分は、配偶者が1/2、子がそれぞれ1/4ですが、配偶者が相続放棄をすると、子がそれぞれ1/2ずつとなります。

また、被相続人の配偶者と子1人が相続人である場合、子が相続放棄をすると、子ははじめから相続人とはならなかったことになるので、配偶者に加え、新たに直系尊属(直系尊属がいない場合は兄弟姉妹)が相続人になることに注意が必要です。

なお、祖父を被相続人とする相続につき、父が相続放棄をした場合、子はもはや代襲相続をすることはできません。(祖父が死亡する前に父が死亡していた場合との差異に注意) 父ははじめから相続人とはならなかったことになるので、父に代わって相続をするという代襲相続は認めることができないからです。

参考条文 民法938条以下、887条2項


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# by k-087 | 2010-05-19 00:42 | 相続放棄

限定承認


相続人が、相続によって得た財産を限度として被相続人の債務及び遺贈の義務を負担することを留保した上で、相続の承認をすること。

つまり、相続財産のプラス分でマイナス分を支払い(清算)、プラス分が無くなったらそれでおしまい、もしマイナス分を支払った後に(清算後に)プラス分が残ればその分は取得できるというものです。

このように言うと、相続人にとっては願ったり叶ったりの制度のようにも思えます。

しかし、現実には限定承認はあまり使われていません。

なぜならば、限定承認は手続が面倒で、しかも費用がかかるからです。

たとえば、限定承認は、相続放棄と同様に、自分のための相続の開始を知ったときから3ヶ月以内に、家庭裁判所への申述によって行う必要があります。

しかも、相続放棄が相続人が各自単独で行うことができるのと異なり、限定承認は共同相続人の全員で共同して行わなければなりません。

さらに、債権者や受遺者に対して公告をしたり、清算のために相続財産の競売をしたりしなければなりません。

よって、相続財産のプラス分とマイナス分の収支が微妙な場合には、限定承認ではなく、手続も簡単(単独ででき、かつ清算手続も不要)で費用もまったくかからない相続放棄が用いられる場合が多いのが実情なのです。

参考条文 民法923条以下


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# by k-087 | 2010-05-19 00:41 | 限定承認

単純承認


相続人が、何の留保も付けずに相続の承認をすること。

この単純承認の結果、相続人は被相続人の債務についても無限責任を負うことになります。

単純承認は、相続放棄や限定承認のような、特に積極的な意思表示を必要としません。

自分のための相続の開始を知った後、限定承認または相続放棄をする旨の家庭裁判所への申述がなされないで3ヶ月が経過した場合や、相続財産を勝手に売却するなどの処分行為がなされた場合、あるいは限定承認や相続放棄の手続をとったにもかかわらず、相続財産を隠匿してこれを消費したり、悪意で財産目録に載せないなどの行為をした場合、それだけで当然に、相続人は単純承認をしたものと扱われます。

参考条文 民法920条、921条


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# by k-087 | 2010-05-19 00:40 | 単純承認